50代からはじめる際のお勧めの収益不動産とはどのような物件なのでしょうか?
ネット広告、不動産セミナーで土地付き新築アパート・マンションが
年収500万円から簡単に不動産投資できると積極的に紹介されています
一見すると建物デザインがカッコいい、管理もお任せで大家は何もすることが無く
儲かるイメージで販売されています
こんなに簡単に購入できて、楽に儲けることが出来るのでしょうか?
まずそんなことはありません!
確かに運が良ければキャピタルゲインで儲けることが出来るかもしれません
キャピタルゲイン(capital gain)とは、保有していた資産を売却することによって得られる売却益を指します
一例として某ホームページの成功例をみてみましょう
- 新築の建物・土地 1億2000万円
- 自己資金は諸経費100万円
- 月々家賃60万円 年間720万円
- 年間収支41万円
- 初期投資額100万円は2年~3年で回収出来る
- 単純利回り6%
突っ込みどころはたくさんありますが、
大きなリスクを取って1億2000万円もローンを組んだのに年間41万円しか儲からない
これではハイリスクローリターンです
もっと詳しく分析してみましょう
購入費用1億2000万円を金利2%・30年返済で借入をした場合の年間の諸経費
- 月々ローン返済額44.3万円、年間532万円
- 共用部の清掃も含めた管理料5% 年間36万円
- 固定資産税 年間40万円
- 部屋数12室の内年間4室が退去した場合の仲介手数料等 年間30万円
- 退去時のクリーニング、クロス張替等 年間20万円
- 給湯器・エアコン等の設備故障時負担額 年間10万円
- 火災保険・地震保険 年間10万円
年間諸経費合計金額 678万円
年間家賃収入720万円-年間諸経費合計金額678万円=年間収支42万円
年間収支がほぼ合いましたので大体このようなシュミレーションで間違いないと思います
確かに新築1年目はこのような年間収支で間違いないのでしょう
上記シュミレーションの問題点
- 入居率は良くても95%位で計算するべき
- 家賃は年間1%位は下がっていく
- 10年から15年で外壁塗装200万円位必要
- 設備故障費は年間30万円位必要
新築から10年後の収支シュミレーションをしてみましょう
家賃は年1%位は下落しますので年間満室家賃収入は約650万円
入居率を95%とすると650万円×0.95=年間家賃620万円となります
年間の諸経費は新築時でも675万円
退去時のリフォーム代、設備故障時の費用は年々上がっていきますので
少なく見積もっても年間諸経費700万円は必要です
10年目の家賃収入620万円に対して年間諸経費は700万円ですので完全に持ち出しです
ローンは残り20年もあるにもかかわらず赤字
さらに建物を維持する為に外壁塗装で200万円位かかる時期がせまっています
これでは外壁塗装なんて出来ないですよね!
毎年の多額の持ち出し金に耐えられずに売却を考えたとするとどうでしょうか?
10年後の単純利回りを7.5%と仮定すると
売却可能額は8250万円となります
新築時に1億2000万円を借入して10年後の残債は?
なんと8767万円の残債があります
仲介手数料も必要になりますので、自己資金770万円が無いと売却もできません
土地付き新築アパートを購入することがいかに危険な不動産投資であるか理解できましたか?
唯一損をしない方法としては、新築から5年位で
単純利回り6%で素人不動産投資家に購入してもらうことぐらいでしょうか
50代から不動産投資を始める方は
絶対にこのような土地付き新築アパートに手を出してはいけません
お勧めの収益不動産は築20年前後、単純利回り15%位の投資案件となります
2000万円~3000万円のアパート購入の実例はこちらをご覧ください
また優良収益不動産の探し方はこちらで詳しく解説してますのでこちらも是非ご覧ください
50代からはじめる手堅い不動産投資の参考になれば幸いです
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