今回は4000文字を超える長文になりますので
時間がある時にゆっくりとご覧ください
築20年以上のアパート・マンションの売り物件は多いですよね
築古の物件を購入する場合のシュミレーション方法としては主に二通りの方法があります
①築古なので、室内・外観は古くて競争力が無い
でもフルリノベーションを行う為の現金が無い
現金を使いたくない場合は家賃を相場より下げてシュミレーションする
入居率も70%~80%となることが予想されるので
想定入居率も厳しめでシュミレーションを行う
②室内は1室100万円~200万円程度かけてフルリノベーションを行う
外観も200万~300万円かけて塗装を行う
外観・室内ともお金を掛けて競争力が増したので、
家賃は今までの家賃より5000円~1万円アップして入居募集をおこなう
間取り・平米数が似ていて競合する築浅のアパート・マンションより家賃は1万円ぐらい安い
築年数は古くても外観・室内とも
綺麗な状態となっていれば入居率も95%以上を確保出来る
私が不動産賃貸事業として初めてアパートを購入したのは
2011年になりますが
初めて購入したアパートは②を選択しました
2008年9月15日にリーマンブラザーズが経営破たんし
リーマンショック後の景気がとても悪い時期でした
当時株式投資やヘッジファンドに投資していましたが
株価が乱高下している影響もあり
一喜一憂の日々を過ごしていました
2000年にロバート・キヨサキ氏が
金持ち父さん貧乏父さんを出版して大ベストセラーになり
いつか自分も不動産投資をしたいと思っていました
不動産投資に興味がある方には必読の一冊ではないかと思います
資産が日々大きく乱高下し落ち着かない毎日を過ごしていた私は
心穏やかに過ごせる投資先を探していました。
初めて不動産投資をおこなったのはそのような時期でした
銀行の不動産事業に対する融資姿勢は
現在以上に厳しく
不動産価格が大きく下落し、想定利回りが
現在より随分と高い時期でした
多少の金融資産もあったことから
地方銀行で満額の融資を受けることができました
購入当時のスペックとしては
閑静な住宅地
築20年
南向き土地280㎡(約85坪)(将来2筆に分筆出来る間口有)
建物230㎡
1棟5戸2DK
2100万円 満室想定12%
積水ハウスの軽量鉄骨
土地の坪単価が25万円位でしたので
25万円×85坪=2125万円
ほぼ土地値
売却理由は高齢化による資産整理
築20年で満室想定12%でしたので
良くも悪くもない平均的な利回りでした
但し土地値で購入しましたので、
まず負けることが無い固い不動産投資になっていたと思います
築20年で一度も塗装されていませんでしたので
購入後約170万円をかけて塗装を行いました
また当時太陽光発電の固定買取制度が
始まったこともあり2011年6月に
270万円を掛けて太陽光パネルの設置を行いました
7.4kw
270万円
1kw単価48円(10年固定買取)
想定利回り17%
直近3年間の売電金額ですが
2018年44.5万円
2019年43万円
2020年43.4万円の収入がありました
10年間で約430万円の売電収入がありましたので
投資金額は全額回収できました
2021年6月で48円の固定買取期間が終了になりますので
eneos電気に1kw10円で売電する予定となっています
年間8万円の売電収入になりますが
これまでも稼いでくれましたので設置して良かったと思います
退去毎に一室約200万円を掛けて2DKから1LDKへの間取り改装、
押入れからクローゼット化、キッチン・洗面台・下駄箱・建具交換、
全室床をフロアータイルへ張替、浴室改装等を行ってきました。
4室フルリノベーションを行いましたので室内だけで
約800万円をかけました。
リフォーム前の室内写真
リフォーム中の室内写真
リフォーム後の室内写真
お金のかけすぎとの意見もあると思いますが
短期間で売却をする予定は無く、
築50年~60年建物が朽ちるまで保有する戦略を取っています
入居率の推移
- 2014年 97.2% 退去1室 築24年
- 2015年 97.2% 退去1室 築25年
- 2016年 95.8% 退去1室 築26年
- 2017年 95.8% 退去2室 築27年
- 2018年 100% 退去無 築28年
- 2019年 97.2% 退去1室 築29年
- 2020年 100% 退去無 築30年
2021年6月現在満室
※簡易に計算する為、入居率は月に1日でも入居が有れば入居として月単位で計算しています
築年数が20年以上経っていますので、いい入居率だと思います
退去が有っても2カ月~3カ月で入居が決まっています
フルリノベーションは1カ月~2カ月はかかりますので
リフォームが完成したら直ぐに申込が入るような状態です
やはり全室フルリノベーションを行った効果だと思います
10年間の概算収入
約2870万円
10年間の概算支出
ローン返済額 約1710万円(元金+金利)
変動金利1.9% 14年返済
管理費(収入家賃の3.5%) 約105万円
火災保険代 約39万円
室内フルリノベーション代 約800万円
その他修繕費約95万円
外壁塗装 約170万円
固定資産税 約115万円
賃貸仲介手数料・広告費 約50万円
購入時の登記・仲介手数料・不動産取得税 約110万円
※所得税等は減価償却費計上の為わずかな税金の支払いになっていますので加味しておりません
合計約3200万円
10年間で約330万円の持ち出しになっています
アパート1棟でみたら10年間で約330万の持ち出しというのが、シュミレーション⓶を採用した場合の不動産投資リアルの数字です
収益不動産は儲からないと思われたかもしれません
ですがそんなことは無いのが不動産投資の複雑なところです
ローン残高に注目してみますね
このアパート単体のローン残高は500万円
残り3年強で完済となります
仮に今売却したとすると
現在の売却可能価格2000万円
築30年経ちますがフルリノベーションされており
満室想定15%なら買い手は付きます
また2000万円はほぼ土地値です
計算すると
売却可能価格2000万―残債500万=1500万円
1500万円から10年間の持ち出し金額750万円を引くと
10年間で実質750万円位の利益が出たことになります
年間約75万円の利益になります
またこれから先10年が大きな利益のでるマグロでいうトロの部分になります
今後10年間の予想収入
現在の月額家賃24.8万円×12カ月=年間297万円
10年間で2970万円
平均入居率を95%とすると 2970万円×95%=約2820万円
今後10年間の予想支出
ローン返済額 約520万円
完済まで3年
管理費(収入家賃の3.5%) 約100万円
火災保険代 約39万円
賃貸仲介手数料・広告費 約50万円
修繕費100万円 年間10万円
固定資産税 約115万円
合計約920万円
今後10年間約2820万円の予想収入に対して
約920万円の予想支出となりますので
約1900万円が利益となります
購入してからの10年間で約750万円を持ちだしていますので、
購入10年目から20年目までの利益1900万円から750万円を引くと、
20年間の家賃収入からみた想定利益は約1150万円となります
今から10年後に売却すると
予想土地値の1700万円ぐらいで売却出来ると思います
残債も無くまるまる利益となりますので
1700万円(売却額)+1150万円(20年間の想定利益)=約2850万円
購入から20年目に売却した場合の
総合的な想定利益は約2850万円となります(売却時の譲渡所得税は加味していません)
いたって普通のアパート1棟を購入し20年間所有して約2850万円の利益が出る、これが不動産投資の醍醐味です 1棟所有するだけで老後2000万円問題は一気に解決です
収益不動産投資は色々な角度から
シュミレーションをする必要があり、
この計算方法が不動産投資を
複雑にさせているところだと思います。
しっかりと理解してから不動産投資をスタートしないと
リフォーム費用が捻出できない等の資金ショートを引き起こします
今回のアパートは当初10年間は730万円持ち出しをしています
収益不動産投資は色々なタイプの物件を購入し組み合わせ
毎年のキャッシュフローをしっかりと把握しコントロールすることが大事です
自分で理解せずに他人に判断を委ね
かぼちゃの馬車オーナーのようにはならないようにしましょう
結論としてはローン返済が終わるまでは、けっこうカツカツで豪遊は全く出来ないというリアルだと思います
不動産投資家で毎年潤沢なキャッシュフローを得ている方は
⓵現金購入か残債をすべて返済し終えた(短期で借入を行っている)
⓶短期、中期で売買を繰り返している
⓷融資返済期間を長く取っている
3つのどれかに当てはまっているかと思います
どの戦略を取るかは目指している
目的地の違いなのだと思います
私は⓵の戦略で歩みは遅くとも
着実に目的地を目指していきたいと思います
参考になれば幸いです
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